OpenDolphin-1.4.7_01ビルド環境構築

(有)日本ライフセンター 情報システム事業部
2010/04/14
2010/04/16(改定:build.xmlについて)
2010/06/10(改定:build.xmlについて、earファイル作成に関する変更)

はじめに

OpenDolphinは、日医標準レセプトソフトとの連携が可能なオープンソース電子カルテです。
株式会社デジタルグローブさんが開発を行い、現在は、株式会社Good-Dayさんが開発を行っています。
ソースファイルが、最近まで、バージョン1.3までしか公開されていなかったのですが、現在は、デジタルグローブさんのほうで、1.4.7が公開されています。
この1.4.7をビルドする方法についてまとめます。

ビルド方法


  1. ダウンロード

    http://www.digital-globe.co.jp/download.html から、
    OpenDolphin-1.4.7-src-dist.zip
    をダウンロードします。
  2. 展開

    上記でダウンロードしたzipファイルを、c:\に展開します。
    c:\OpenDolphin-1.4-src-distディレクトリが作成されます。
  3. NetBeansプロジェクトに読み込む

    「ファイル」「プロジェクトを開く」画面で、c:\OpenDolphin-1.4-src-distを参照し、その中にある全ディレクトリを選択します。(全12ディレクトリ)
    読み込んだら、プロジェクトグループに設定しておくと便利です。「ファイル」「プロジェクトグループ」「新規作成」で可能です。
  4. Javaプラットフォーム設定

    開いた全プロジェクトについて、javaプラットフォームを1.6に設定します。
    「プロジェクトウインドウ」の「ライブラリ」で右クリックして、「プロジェクト」を選択し、「ライブラリ」の「Javaプラットフォーム」が「JDK 1.5(デフォルト)」となっているのを「JDK 1.6」に変更します。
  5. リンクエラーになっているライブラリの設定

    プロジェクトImageBrowser-1.4では、以下のjarライブラリファイルの参照が間違えています。(相対パスではなく、絶対パスにしてしまっている模様)
    jai_core.jar
    jai_codec.jar
    jai_imageio.jar
    これらのファイルは、OpenDolphin1.4/libにあるので、再設定を行います。今後のことも考え、フォルダは相対パスで指定します。
    プロジェクトLaboTestDocument-1.4では、以下のjarライブラリファイルの参照が間違えています。(相対パスではなく、絶対パスにしてしまっている模様)
    jcommon-1.0.16.jar
    jfreechart-1.0.13.jar
    これらのファイルも、OpenDolphin1.4/libにあるので、再設定を行います。今後のことも考え、フォルダは相対パスで指定します。
  6. マッキントッシュ依存のコードの削除

    想定の対象とするターゲットOSはWindowsなので、Mac関連のライブラリは無く、そのままではコンパイルエラーになります。
    したがって、Macに依存するコードはコメントアウトします。
    具体的な箇所は、
    OpenDolphin-1.4
    open.dolphin.client

    Dolphin.java
    の以下の部分です。
            (↓ここから)
            // Mac Application Menu
            com.apple.eawt.Application fApplication = com.apple.eawt.Application.getApplication();
            fApplication.setEnabledPreferencesMenu(true);
            fApplication.addApplicationListener(
                new com.apple.eawt.ApplicationAdapter() {
    
                    @Override
                    public void handleAbout(com.apple.eawt.ApplicationEvent e) {
                        showAbout();
                        e.setHandled(true);
                    }
    
                    @Override
                    public void handleOpenApplication(
                            com.apple.eawt.ApplicationEvent e) {
                    }
    
                    @Override
                    public void handleOpenFile(com.apple.eawt.ApplicationEvent e) {
                    }
    
                    @Override
                    public void handlePreferences(
                            com.apple.eawt.ApplicationEvent e) {
                        doPreference();
                    }
    
                    @Override
                    public void handlePrintFile(
                            com.apple.eawt.ApplicationEvent e) {
                    }
    
                    @Override
                    public void handleQuit(com.apple.eawt.ApplicationEvent e) {
                        processExit();
                    }
                });
            (↑ここまで)
    
    この区間をコメントアウトします。
  7. プロパティファイルの作成

    OpenDolphin-1.4のopen.dolphin.resourcesのプロパティファイル、Dolphin_ja.propertiesファイルが無いため、起動に失敗します。
    このファイルの作成方法は、
    open.dolphin.resourcesで右クリック、「新規」ウィンドウを出し、「その他」「プロパティファイル」を選択します。
    「次に」を押下し、ファイル名にDolphin_jaを指定します。(.propertiesは入れない。)
    「完了」を押下し、open.dolphin.resourcesに追加されたことを確認します。
    次に、別のエディタ(秀丸など)で、open.dolphin.sjis.propertiesを開き、全て選択してコピーします。その後、Net Beansに戻り、今作成した、Dolphin_ja.propertiesを開き、ペーストします。
  8. ビルド

    ここまで作業を行ったら、全てのプロジェクトをビルドします。
  9. build.xmlの設定

    各プラグインのbuild.xmlは、デフォルトのままでは、プラグインのjarファイルがOpenDolphin1.4/pluginsにコピーされないため、プラグインのbuild.xmlに以下を追加します。
        <target name="-post-jar">
        <copy todir="../OpenDolphin-1.4/plugins">
            <fileset dir="dist">
                <include name="*.jar" />
            </fileset>
            </copy>
        </target>
    
    ejbのビルドは、OpenDolphin-1.4/ejb-build.xmlから行ってください。以下の変更は不要です。(2010/06/10)
    また、OpenDolphin-1.4のbuild.xmlについては、以下を追加します。
        <target name="-post-jar">
            <jar jarfile="./dist/beans.jar">
                <fileset dir="./build/classes">
                    <include name="open/dolphin/ejb/*.class" />
                    <include name="open/dolphin/dto/*.class" />
                    <include name="open/dolphin/infomodel/*.class" />
                    <include name="open/dolphin/exception/*.class" />
                </fileset>
                <metainf dir="./src">
                    <include name="persistence.xml" />
                </metainf>
            </jar>
            <jar jarfile="./dist/openDolphin-1.4.7_01n.ear" >
                <metainf dir="src/">
                    <include name="application.xml" />
                    <include name="jboss-app.xml" />
                </metainf>
                <fileset dir="./dist">
                    <include name="beans.jar" />
                </fileset>
            </jar>
            <delete file="./dist/beans.jar" />
        </target>
    

動作確認

  1. GUIなどの文字化け:無し
  2. カルテのオープン:できた
  3. ORCAから病名取得:できた
  4. プラグインのソース変更:変更が反映された
  5. ejbのソース変更:変更が反映された
情報システム事業部のトップに戻る
日本ライフセンターのトップに戻る