平成11年12月27日
「名護市焼却ゴミ減量パイロットスタデー」 |
最終報告書
依頼者 名護市役所市民部環境衛生課 受託者 日本ライフセンター |
1.目的
名護市の焼却場に集まった燃やしていいゴミを破砕し、コンポスト化する事により焼却ゴミの減量化を計る。
2.実施要領
@焼却ゴミ破砕方法のチェックを行う
イ)焼却は出来るが破砕できなかったもの
ロ)焼却してはいけないゴミの混入
A有機肥料化による焼却ゴミの減量化を行う
3.使用機器
写真A−りぼんちゃん |
写真B−破砕機 |
写真C−ユニック |
コンベアーなどは使用せず人手で行った。
4.実施経過
@搬入
写真D |
写真E |
A分別・破砕
イ)破砕できなかったもの(破砕機を大型化すれば可能)
写真F−ぬいぐるみ、絨毯、枕、布、材木 |
ロ)焼却してはいけないゴミの混入
写真G− | ビン、缶、ペットボトル、 金属、プラスチックゴミ |
写真H−剪定材に混入した石 |
8/16 PM3:45〜PM8:30 (2回破砕)
ゴミの様態
写真I−破砕前 |
写真J−1回破砕 |
写真K−2回目破砕中 |
写真L−破砕完了 |
C発酵スタータ処理
病原微生物、虫卵、種子対策のため毎回80度以上とした。
写真M−取出し |
写真N−出来上がり |
総重量は下表のごとく焼却ゴミ1074.5+発酵材342=1416.5kgである。
ゴミの内容(単位 Kg)
焼却ゴミ |
発酵材 |
合計 |
|||
--- |
名護市 |
生ゴミ |
小計 |
--- | --- |
8/13 |
219 |
65.5 |
284.5 |
60 |
344.5 |
8/16 |
584 |
206 |
790 |
282 |
1072 |
合計 |
803 |
271.5 |
1074.5 |
342 |
1416.5 |
4.有機肥料化過程(T)
@破砕ゴミ中に一部腐敗、ウジの発生があったが発酵過程で一両日中に解決した。
A発酵温度は70〜74℃で3週間推移し、発酵状態は良好であった。
写真O |
写真P−温度71.3℃を示す |
5.中間検討
@性状比較
やや灰色がかり、フワフワしたものであった。
写真Q |
写真R |
写真S |
従来の有機肥料との比較
写真T |
A総重量の変化
1416kgは3週間後1006kgとなった。
そのうち焼却ゴミは当初1074kgであるから、発酵材を使用しても全体として増加していない。
これは、焼却ゴミの発酵による乾燥と考えられる。
B一部選別
現時点でも260g中200gは堆肥となる。
しかし、匂い、色合い、性状は改善方策をとるほうがよいと考えられた。
焼却せざるを得ないゴミは260g中60gである。
|
|
|||
減少率= | (1416-1006)+1006×200÷260 | = | 1183.8 | = 83.6% |
1416 1416
6.有機肥料化過程(U)
素材の性状から、脂肪成分の多い当社製品と混合。
匂い、色、性状とも満足出来る。この状態で3週間さらに発酵させる。
写真U |
写真V |
写真W |
写真X |
7.選別
@3週間後、フルイ分別を行った
写真Y−フルイ作業 |
写真Z−フルったもの(左)フルった残り(66kg) |
A2ヶ月後、袋詰
写真a−袋詰 |
B肥料分析
土壌に対して安全であるとの結果を得た
試験項目 |
試験結果 |
試験方法 |
備考 |
全窒素 (%) |
1.03 |
肥料分析法 |
(原品中の濃度) |
リン酸(T-P2O5) (%) |
1.04 |
肥料分析法 |
(原品中の濃度) |
カ リ(K2O) (%) |
0.20 |
肥料分析法 |
(原品中の濃度) |
水 分 (%) |
18.10 |
肥料分析法 |
--- |
カドミウム (mg/kg) |
0.47 |
肥料分析法 |
(乾物当たりの濃度) |
ヒ 素 (mg/kg) |
2.07 |
肥料分析法 |
(乾物当たりの濃度) |
水 銀 (mg/kg) |
0.04 |
肥料分析法 |
(乾物当たりの濃度) |
(H11.12.13採取−株式会社 沖縄環境保全研究所)
8.実施評価
発酵処理の総重量は1416.5kgであるが、発酵過程で水分の蒸発により3週間後には1074kgに減量された。その後の3週間では発酵条件を良くするため散水を行っており、総重量は意味をなさなくなった。
最終的に、残ったゴミは66kgであったので名護市焼却ゴミ総量に対する残渣ゴミ総量をもって評価する。
すなわち
減少率=(803−66)kg/803kg≒91.8%である
また、フルイの完全性としては写真のごとく完璧とは言い難い点もあり、
減少率 90% と最終報告します。
しかも、出来たコンポストは土壌還元しても安全である。